『漆原 さくら』のおいしい本屋 漆原 さくら

「地に足がつく」ってどういう意味?②

 

このブログの筆者、食べ物絵師の漆原さくらは「地に足着いた生き方」を目指し、模索する日々の様子を「チニアシ」というZINEで発信していますが、そもそも「地に足着いた」ってどういう状態のこと?という問いに対する答えを、今回は書いてみたいと思います。

 

前回の記事はこちらからどうぞ→「「地に足がつく」ってどういう意味?① 」

 

 

●自分の食べるものを自分の手で作る暮らしを「地に足着いた暮らし」と考えた

 

新卒で八百屋ベンチャー企業に入社するも、忙しく回転していく毎日に「地に足がついていない」と感じた私は会社を辞め、地元長野県辰野町で絵を生業としながら自分で食べる物を自分で作る暮らしを目指しました。

 

独立した当時思い描いていた理想の暮らし

 

 

今まで八百屋として働く中で、

「食べ物は、誰かが作ってくれたものを買う」という当たり前の意識があることで、わたしたちと自然は大きく切り離されていると感じていました。

 

自給自足をすることで離れていた自然と結びつき、理想の「地に足ついた暮らし」に近づけるのではないかと考えていたからです。

 

 

しかしやってみると、、、

独立をしてすぐはあまり絵の仕事も無く、パンを焼いたり、納豆を作ったり、プランターに野菜の種を撒いたりと、今までやってみたかった「自給自足」らしいこと(あくまでも全く「自給」まで行かない範囲)をやっておりましたが、だんだんと不安になってきました。

 

 

今まで会社に所属していた頃は毎月お給料が振り込まれて、「あなたはここに居ていいですよ。」と大きな社会全体から自分の存在を肯定してもらっている感覚があったのに、

 

独立してみると毎日好きなことができるけれど、当たり前ですが自分から仕事をもらってやり遂げなければ「お金」という「社会からの肯定」は得られないのです。

 

ふわふわとした毎日はつづき、

撒いた種が芽を出したり、パンを焼いて失敗したり一喜一憂…(もちろん種も小麦粉も買っているのです。)

体験したことを元に作品を作りますが、すぐにお金に変わるわけでもなく、撒いた種がすぐに実りにつながるわけでもなく、、、

社会から切り離されている感覚に、「このままでいいのだろうか…」と孤独と不安を感じました。

 

 

それから少しずつ絵のお仕事を頂くようになり、お仕事に対する対価を頂いたり、絵を喜んでくれる方々を見ると、だんだんと心にゆとりが出てきました。

 

 

「お金」や「売り買い」から離れ、自給自足を思い描き独立しましたが、

やはり自分にとっては「絵を描く」ということがど真ん中にあり、本気で自給自足ができるような時間や体力も意識も足りていないこと。

 

お金を稼ぎ、生産者さんへ感謝の思いを感じながら買うという基本の大切さに気づきました。

 

 

(次の記事へつづく)

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